SCIENCE AGORA

自動走行技術が創る未来社会
Ab-106 注目企画

約130年前にカール・ベンツが最初のガソリンエンジンで走る自動車を発明して以来、画期的な性能向上と生産性の向上による低価格化が進み、自動車は私たちの生活や経済活動に欠かせないものになりました。
近年の電子制御や情報通信の技術革新により、自動車が危険を感知して自動的にブレーキを掛けたり、車線から逸脱することを防ぐ操舵制御を行うこともできるようになりました。また、見通しの悪い場所や遠方の状況を無線通信で受け取り、ドライバーに知らせたり危険回避のための制御を行うことも可能になってきました。さらに進化して、自動走行も現実のものとなりつつあります。
自動走行にはどのような技術が使われているのでしょうか。自動走行システムの研究開発の最前線で活動する技術者が最新映像などを用いてわかりやすく説明します。世界の自動車メーカーやIT企業がしのぎを削るこの分野のグローバルな動きについても解説します。
ところで、自動走行システムは誰もが安心して使えるのでしょうか。自動走行が実現すると私たちの暮らしや街の様子はどのように変わるのでしょうか。このような疑問に、制度的課題に詳しい専門家や、利用者の視点から分析するジャーナリストが答えます。また、来場者との対話の時間をつくり、素朴な疑問や期待について語り合います。

企画提供者 SIP自動走行システム推進委員会
開催日 15日(日)10:30~12:00
会場 A会場(日本科学未来館)7階 未来館ホール
形式 シンポジウム / トークセッション
URL http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/iinkai/jidousoukou.html
備考

タイムテーブル:

開催報告

自動運転の最前線で御活躍の専門家の方々の講演では、日産自動車の福島正夫さんから、自動運転技術開発の最新情報の紹介があり、車に搭載するセンサーなどが急速に進化して自動運転が現実のものになりつつあることが紹介されました。トヨタ自動車の葛巻清吾さんからは、国の自動走行システムプロジェクトSIP-adusの概要の説明があり、自動車メーカーが技術開発競争を繰り広げる中で、高精度な地図など共通の課題に対して協調して取り組んでいることが紹介されました。本田技術研究所の横山利夫さんからは、日本自動車工業会がとりまとめた「自動運転ビジョン」の説明があり、交通の安全や効率化に加えて少子高齢化などの社会的課題に対しても自動運転技術を活用して業界全体で取り組んでいることが紹介されました。そして、自動車ジャーナリストの岩貞るみこさんからは、世界の自動運転システム開発の状況に触れながら、自動運転技術によってクルマや社会がどのように変わるのか、その展望についてお話しいただきました。来場者からは、自動走行への期待とともに、目指す方向性、技術的な課題、実用化に向けた課題など、様々な角度から質問があり、活発な議論が行われました。

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