SCIENCE AGORA

いま世界が直面するSDGs等の課題解決にイノベーションは何ができるか?
Ab-143

地球という限られた空間と資源に依拠する人類は、さまざまな自然環境、社会環境に関わる課題に直面し、しかもそれは一国や一地域にとどまらない地球規模の共通課題となっています。現在、当然のようにエネルギー・水・食糧等が手に入らない、貧困層の人口割合(貧困率)(2013年米CIAワールドファクトブック)が高い、世界平均以下の国は世界で70カ国あり、WWFの試算で 2030年には、必要な資源量は地球が2個以上ないと維持できないと言われています。
そのような空間・時間的な不平等に対する問題意識を元に、国際連合が2015年に全会一致で採択した2030年までに取り組むべき持続可能な開発目標(SDGs)は、17の目標、169のターゲットを掲げており、貧困や飢餓の撲滅に始まり、気候変動、水産資源、陸上資源の保全、平和の実現とそのための国際的な協力枠組みまで多岐に亘ります。国際連合では、その実現に当たって現在の科学技術イノベーション(STI)の活用が不可欠なものとして、世界の科学技術関係者が「STIがSDGsの実現のためにいかなる具体的な取組が重要か」を考えるSTIフォーラムが毎年開催されることになりました。
一方、社会とSTIの関係を考える時、一部の専門家だけではなく、一般市民も含む多様な関与者が将来の社会とSTIのあり方についての議論に参画し、社会とSTIを協働して創っていこうという動きがあります。
この両者を併せて考える時、様々なSTIの関与者、特に専門家と一般市民を結びつける科学フォーラムが地球規模問題を取り上げて議論し、国際連合などの議論に様々な意見や提案を届けていくことは、重要な動きです。
サイエンスアゴラは、アジアを始めとする欧米アフリカ等世界の科学技術関係者が集まる科学フォーラムの1つとして、本セッションでSDGsを中心とした地球規模問題を巡る議論を始めます。これを今後世界で行われる様々な科学フォーラムに一連の議論として継続的に取り上げることが出来れば、世界を巡る大きな議論の和の形成と、多くの人々の意見を集約して国際的な議論の場に届ける仕組みとなります。
様々な観点、アイディア、取組を持ち寄り、国際的な議論につなげていきましょう。

企画提供者 科学技術振興機構
開催日 11/3(木・祝)10:15-12:00
会場 A会場(日本科学未来館)7階 イノベーションホール
形式 シンポジウム・トークセッション
備考 同時通訳あり
当日参加も歓迎しますが、事前登録を推奨します

タイムテーブル:

開催報告

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登壇者の紹介

【座長】

アゴラ市民会議「どんな未来を生きていく? ~AIと共生する人間とテクノロジーのゆくえ」

大竹 暁(JST研究開発戦略センター(CRDS)特任フェロー/内閣府経済社会総合研究所 総括政策研究官)
1984年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修士課程修了。科学技術庁、文部科学省研究振興局基礎基盤研究課長、独立行政法人宇宙航空研究開発機構総務部長、内閣府参事官(総括担当)(政策総括官(科学技術政策・イノベーション担当)付)、文部科学省大臣官房審議官(研究開発局担当) 、2013年科学技術振興機構理事などを経て、2016年3月より現職。マッシミアーノ・ブッキ(トレント大学 科学社会学科教授、Public Understanding of Science 誌編集長)

アゴラ市民会議「どんな未来を生きていく? ~AIと共生する人間とテクノロジーのゆくえ」

マッシミアーノ・ブッキ(トレント大学 科学社会学科教授、Public
1997年欧州大学院博士課程修了(政治・社会学博士)。専門は科学社会学。アメリカ国立科学財団、英国王立協会、欧州委員会、欧州食品安全機関等の顧問や評価委員を務め、現在トレント大学教授。Public Understanding of Science 誌編集長。科学コミュニケーションに関する編著書、論文多数。

【パネリスト】

アゴラ市民会議「どんな未来を生きていく? ~AIと共生する人間とテクノロジーのゆくえ」

ラッシュ・D・ホルト(米国科学振興協会(AAAS) CEO/Science誌系雑誌の発行責任者)
2015年より米国科学振興協会(AAAS) 第18代CEO及び「Science」系雑誌の発行責任者。教員、科学者、管理者、政策立案者の役職を歴任。1987年~1998年エネルギー省(Department of Energy:DOE)傘下のプリンストンプラズマ物理学研究所(Princeton Plasma Physics Laboratory:PPPL)副所長。1999年~2015年ニュージャージー州選出の下院議員。ニューヨーク大学博士課程修了(物理)。

アゴラ市民会議「どんな未来を生きていく? ~AIと共生する人間とテクノロジーのゆくえ」

マイケル・エリス(南アフリカ共和国 科学技術振興庁 科学コミュニケーション部長)
マイケル・エリスは、経験豊かな科学コミュニケーションの専門家であり、過去10年間、ケープタウン科学センターやサイボノディスカバリーセンターなどで科学コミュニケーションの専門家として10数年に渡り従事し、科学技術イノベーション分野での人材育成プログラムを科学センター職員用に開発。同振興庁では、科学振興のための国策を講じており、科学コミュニケーションの手法開発やメディアリレーションズなども担当している。プレトリア大学昆虫学修士。

アゴラ市民会議「どんな未来を生きていく? ~AIと共生する人間とテクノロジーのゆくえ」

デイヴィッド・コープ(英国ケンブリッジ大学クレアホール フェロー/東京大学先端科学 技術研究センター フェロー)
ケンブリッジ大学卒業、ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス修了。元英国議会科学技術局事務局長。現在、ケンブリッジ大学クレアホール フェロー、東京大学 先端科学技術研究センター(RCAST)フェロー、同志社大学客員教授。

アゴラ市民会議「どんな未来を生きていく? ~AIと共生する人間とテクノロジーのゆくえ」

有本 建男(政策研究大学院大学(GRIPS)教授/JST 研究開発戦略センター(CRDS)上席フェロー)
1974年京都大学大学院理学研究科修士課程修了、科学技術庁入庁。内閣府大臣官房審議官(科学技術政策担当)などを経て、2004年文部科学省科学技術・学術政策局長。05年内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官。06年科学技術振興機構社会技術研究開発センターセンター長、研究開発戦略センター上席フェロー、2012年より現職。専門は科学技術政策、研究開発ファンディング・システム。

【若手研究者コメンテーター】

アゴラ市民会議「どんな未来を生きていく? ~AIと共生する人間とテクノロジーのゆくえ」

ローサ・ポーラ・クエバス(国際稲研究所(IRRI、フィリピン共和国)穀類品質栄養センター 研究員)
米の官能評価をテーマに研究活動を実施しており、パネルを利用した米の官能評価から、米の特性の同定を行っている。この研究の目的は、米の品種改良を行う者が、要求される食品としての基準を上回るだけでなく、米の品質向上への理解を促進することである。また調理された米の特性を定量的に評価に向けた活動も実施している。

アゴラ市民会議「どんな未来を生きていく? ~AIと共生する人間とテクノロジーのゆくえ」

ヌウォン・チョラクープ(国立金属・材料技術センター(MTEC、タイ王国))再生可能エネルギー研究所 所長)
マサチューセッツ工科大学(MIT)で材料科学のPh.D.を取得後、タイに帰国し再生可能エネ ルギーへ活動を移した。過去11年にわたり、バイオ燃料に関する研究に関わり、最近ではJSTとJICAの共同プロジェクトであるSATREPSの活動が中心となっている。

アゴラ市民会議「どんな未来を生きていく? ~AIと共生する人間とテクノロジーのゆくえ」

駒井 章治(奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 准教授)
上智大学にて生理心理学を学び、京都大学霊長類研究所、大阪大学医学部神経生理学教室で研究の後、奈良先端科学技術大学院大学にて博士号取得。神戸大学第一生理学教室、三菱化学生命科学研究所にて特別研究員。マックスプランク医科学研究所等を経て、2005年奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科助手、2008年より現職。日本学術会議若手アカデミー委員会委員長。

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