SCIENCE AGORA

南相馬市の科学教育による震災復興への取り組み
Cb-354

南相馬サイエンスラボは東日本大震災と福島第一原子力発電所事故によって多大な被害を被った福島県南相馬市で親子を対象に「実験や観察を通して科学の素晴らしさを伝える」ことを目的とした様々体験教室を毎月開催しています。南相馬市は震災前に全国の地方都市に共通して存在していた経済、社会、医療、産業、教育などの様々な問題に加えて震災によって放射能災害を受けてしまいました。今も震災からの復興は道半ばですが、一方で震災を経験することでそうした多様な問題を解決するためには地域の自然や文化や歴史といった地域資源の重要性が再認識され、そうした地域の宝を市民や大学や企業や地元の専門家などと協力しながらこどもたちにわかりやすく伝える教育活動こそ被災地の復興に最も重要であることに気付かされました。今回私たちは被災地でこれまで行ってきた科学、農業、食育、放射線、工芸、馬とのふれあいなどを対象にした教育活動を紹介するとともに教育現場で求められているわかりやすい科学教育手法のいくつかを参加者の皆さんと一緒に体験して頂きたいと考えています。そして将来、南相馬市にそうした地域教育を学ぶための新しい学校を作りたいという夢を皆様と共有したいと思っています。

企画提供者 南相馬サイエンスラボ
開催日 11/5(土)10:30-12:00
会場 C会場(産業技術総合研究所臨海副都心センター別館)11階 会議室2・3
形式 サイエンスカフェ
URL http://www.sciencelabo2011.com
備考

登壇者情報:

タイムテーブル:

開催報告

サイエンスアゴラ2016発表を終えて
今回私達は東日本大震災の被災地である福島県南相馬市で行っている科学教育による震災復興への取り組みについて発表しました。
前半は私達が地元の専門家と協力しながら行っている科学や農業食育や乗馬や自然観察などを親子で体験を通して学ぶ活動に加えて、小学校での放射線教育などの事例を発表しました。後半は複数のJST担当者も一緒に月の満ち欠けを学ぶ授業を体験していただきました。会場からは大変分かりやすく今後とも頑張って欲しいという声を多数頂きました。
最後に私達は地域資源を活かした新しい学校構想について説明しました。私達が震災を経験することで気付いた課題は文科省がHPで述べている現在の日本の教育が抱える諸問題そのものです。そうした課題を解決する可能性を持つ我々の新しい学校構想は教育に携わるあらゆる階層の人々が理解し共有し実現に向けて取り組むべきものだと考えています。将来の日本を担う子ども達に私達が何を残すことが出来るか、それは教育しか無いのではないでしょうか。科学とともにある社会をつくるために今後とも是非皆様のご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。


参考URL
http://www.sciencelabo2011.com

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