SCIENCE AGORA

復興期における被災地の課題と科学コミュニケーション
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東日本大震災から6年が経過した。特に原子力災害に見舞われた福島県では,放射性物質による汚染と関連する諸問題が今なお存在しているが,県外においては、これらの情報はほとんど伝わっていない。そこで県外からは見えにくくなっている福島県の復興期における科学コミュニケーションの課題を、主に「放射線教育・普及や自然災害」等の問題に絞って様々な立場から現状と課題を発信し,それぞれの立場を超えて相互理解ができるような情報を提供する。
(1)福島県内×県外での認識の違い(原発事故その後・福島県産農産物など)
(2)放射線教育(県内と県外の違い 学校教育と社会教育の違い)
(3)研究機関の課題(情報発信内容と市民のニーズとの違い) 他

出展者 ふくしまサイエンスぷらっとフォームspff
開催日 11月25日(土) 終日
会場 1階 アトリウムエリア
形式 ブース
URL
備考

開催報告

「ふくしまサイエンスぷらっとフォーム(spff)」とはJST様の支援により2008年にスタートした福島県内の様々な個人団体が連携して科学コミュニケーション活動を実施するプロジェクトです。その特徴の一つは科学を伝える専門家同士の学びの場としてスタートしたことです。東日本大震災による原子力発電所事故後はアゴラへの出展は被災地における科学コミュニケーションをテーマにして全国の皆様に震災と被災地と科学コミュニケーションについて考える機会を提供し続けてきました。
 今回は「越境」というテーマを念頭に未だ継続する原子力災害の様々な影響について,「研究機関×市民」そして放射線教育や福島の復興をまなぶ中高生による「県内×県外」という,明確な答えのないテーマを展示し来場者と対話することに挑戦しました。
 アゴラ以前から京都の中学生と福島の高校生は,復興や放射線理解のための意見交換を行ってきました。厳しいコメントを返されて悩んだこともありましたが,そのやりとり自体が福島の現状を知っていただける第一歩と考えて出展しました。中高生の思いに多くの来場者が対話を通じて共感し,理解し合えるシーンを見ることができたのが何よりの成果です。「サイエンスアゴラ賞」の受賞は大きな励みになりました。ご協力ご支援いただいた皆様,ありがとうございました!

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