SCIENCE AGORA

2021年11月3日(水・祝)7日(日)

《プレアゴラ》10月10日(日)11日(月)

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No.06-E1011月6日(土)10:00~12:00

大学をコアとしたイノベーション・システム再興

Role of Universities? For revitalizing the Innovation System.

科学技術振興機構 Japan Science and Technology Agency

企画概要

日本の研究力や産業競争力の低下が懸念されて久しい今、我が国が再びイノベーションを生み出していくためには、どのような研究環境を整備し、イノベーションの源泉を生み出していく必要があるのでしょうか。また、大学等により生み出された成果を、産業と一体になって育んでいくには、新産業の創出に取り組むステークホルダーとの新しい関係性、新たなエコシステムの形成が求められています。

そこで本セッションでは、COI(センター・オブ・イノベーション)や欧州における好事例、共創を通じて新産業を創出しようとする産業界の新たな動向を紹介し、未来の「Life」を支えるイノベーション・システム再興の道筋について議論します。

 

登壇者プロフィール

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天野 浩 Amano Hiroshi

名古屋大学 未来材料・システム研究所 教授/2014年ノーベル物理学賞

1983年名古屋大学工学部卒業。1988年同大学院工学研究科博士課程後期課程単位取得満期退学。同大助手時代の1989年に工学博士号を取得。名城大学教授などを経て2010年から名古屋大学教授。

「実現は困難」と言われていた高効率青色発光ダイオード(LED)を発明した功績が讃えられ、2014年に赤﨑勇氏、中村修二氏とともにノーベル物理学賞を受賞。

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岸 暁子 Kishi Akiko

東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻 特任助教/東京大学センター・オブ・イノベーション(COI)『自分で守る健康社会』拠点 メンバー

2005年札幌医科大学卒業、2009年ロンドン大学衛生熱帯医学大学院 公衆衛生学(栄養)修士取得。2012年 東京大学医学系研究科大学院修了。医学博士(内科学)。

日本糖尿病学会認定専門医・日本医師会認定産業医。武蔵野日赤病院を経て、東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科に入局後、同附属病院臨床研究支援センター特任助教、東京大学医療イノベーションイニシアティブ兼任を経て、2018年より現職。東京大学COI拠点では、健康の自分ゴト化を目指したスマートフォンアプリ「カラダ予想図」を開発。生活習慣の改善、行動変容促進、働き方改革領域でのデジタルヘルスを推進する。

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留目 真伸 Todome Masanobu

SUNDRED株式会社 代表取締役

早稲田大学政治経済学部卒業。総合商社、戦略コンサルティング、外資系IT、日系製造業等において、代表取締役社長を含む要職を歴任。レノボ・ジャパンおよびNECパーソナルコンピュータ 元代表取締役社長。資生堂 元チーフストラテジーオフィサー。2019年7月より100個の新産業の共創を目指すSUNDRED株式会社の代表として「新産業共創スタジオ」を始動。「新産業共創プロセス」を通じ新産業・新事業の創出・成長加速に取り組む。

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中川 雅人 Nakagawa Masato

株式会社デンソー フェロー(嘱託) 、元デンソー欧州統括社長/広島大学 客員教授

1980年にデンソーへ入社後、14年に及ぶヨーロッパ勤務で欧州統括社長などを歴任。専門は自動運転を含む自動車分野の技術全般で、特に内燃機関及び噴射システム技術。

欧州での豊富な経験からドイツにおける技術開発のアプローチや、産学連携の優れた仕組みに精通する。

2017年より広島大学大学院先進理工系科学研究科で客員教授も務める。

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濵口 道成 Hamaguchi Michinari

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 理事長/文部科学省 科学技術・学術審議会会長/日本ユネスコ国内委員会会長

1980年名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。同年名古屋大学医学部附属癌研究施設助手。85年米国ロックフェラー大学分子腫瘍学講座研究員(88年8月まで)。93年名古屋大学医学部附属病態制御研究施設教授。97年同大学アイソトープ総合センター分館長。2003年同大学大学院医学系研究科附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター教授。05年国立大学法人名古屋大学大学院医学系研究科長・医学部長。09年同大学総長を経て15年10月より現職。

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吉野 正則 Yoshino Masanori

株式会社日立製作所基礎研究センター シニアプロジェクトマネージャ/北海道大学センター・オブ・イノベーション(COI)『食と健康の達人』拠点 プロジェクトリーダー/共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)『こころとカラダのライフデザイン共創拠点』プロジェクトリーダー

1980年日立製作所へ入社。事業戦略・商品企画などを担当。2015年より同社研究開発グループ シニアプロジェクトマネージャとして北海道大学COI『食と健康の達人』プロジェクトリーダー、日立北大ラボ勤務。2021年から北海道大学COI-NEXT『こころとカラダのライフデザイン共創拠点』のプロジェクトリーダー。

COIの母子、子育てに加えて、共創の場では、小児期から学生、若者のプレコンセプションケアとライフデザインの研究開発を総合知の視点で推進する。

出展レポート

セッションで話し合った未来像

  • アカデミアと産業界の新たな「つながり」のあり方
  • 従来の産学連携からの必要な変革
  • 「イノベーションの源泉となる人」をいかに育むか

セッションでの意見、論点

  • 課題を共通する産官学民の場。取り組みにくい社会課題と併せて、自分事の課題に並行して取り組めるようにする。市民と研究をデザイン。
  • 個社で社会に新しい価値をもたらせる時代は終わった。組織の壁を越える「インタープレナー」が重要。その構想の装置として「新産業共創スタジオ」を発足させた。
  • 日本は産業化にかけるスピードが遅い、半分以下にしたい。そのためにこだわり続ける、産業化にかかわる多様な人(知財、生産、社会価値デザイン)が力を合わせること。そのような多様な人材を育てていくこと。持続的な開発投資。社会実装への投資をもう少し呼び込めるとよい。
  • 独フランフォーファーのような産業とアカデミアの距離の近さ、働き方の違い。「競争領域」と「協調領域」をつくることで労働生産性が上がっている。民間が牽引。人材育成を産学連携の中で行うことで、即戦力の育成。
  • イノベーションに必要な視点に触れる機会が乏しい。自分の専門はここと決めて、あとは企業に委ねるではなく、壁を減らしていく。そのプロセスで、若い研究者がアカデミアにいてもつまらなくない、大丈夫だと思える環境ができていく。
  • 多様性ある若手の活躍が必要。次世代を懸念する理由の一つに、正解を教える教育がある。社会が変わった。我々は若い人の不安に寄り添い、複数の可能性を学ぶ機会を与え、選択肢を広げていくことが必要。

セッションで出たキーワード

インタープレナー、労働生産性、競争領域と協調領域、人材育成、イノベーション、大学、アカデミア、産学官民連携

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