出展者インタビュー

JSTインターン生が、サイエンスアゴラの出場者・出展者へのインタビューを通じてサイエンスアゴラの魅力をお伝えします!

資生堂 女性研究者サイエンスグラント事務局
蓑田裕美さん(写真左)

こんにちは、サイエンスアゴラ2011インターン生の丸尾です。
資生堂 女性研究者サイエンスグラント事務局 の蓑田裕美さんにインタビューしました!
「女性研究者」と聞いて、どのような人達を思い浮かべますか? 私が専攻する分野では男性研究者が多いせいか、イメージがあまり浮かびません。実際、女性は研究職に就きづらいのでしょうか?そしてそんな女性研究者に対して、資生堂ではどのような支援をしているのでしょうか?理系女子として気になるところです。

資生堂 女性研究者サイエンスグラントとはなんですか?
サンゴの研究をしている海洋生態学者、安田仁奈さんを迎えたサイエンスカフェ@資生堂大学や公的研究機関ではたらく女性研究者を支援するために、資生堂が行っている研究助成制度(グラント)です。毎年10名の受賞者に、ご自身の研究推進のために使える自由度の高い助成金を差し上げています。いま、日本の自然科学研究者は男性がほとんどで、女性は約13.6 %しかいません。女性研究者の支援を通じて科学界全体を盛り上げていきたいという思いから、助成対象分野は皮膚科学・香粧品学の分野に限らず、自然科学全般から広く募集しています。
どうして日本には女性の研究者が少ないのですか?
理由は様々だと思いますが、研究競争が激しい大学の研究職の場合、産休・育休などのブランク後に復帰しづらいことも一つの要因だと考えています。また、指導的立場にある女性研究者のロールモデルが圧倒的に少ないという状況も、職位の高い女性研究者がなかなか増えない要因かもしれません。
同じことが、これから進路を選択する女子学生の立場でもいえると思います。身近にいる女性研究者の数が少ないため、進路選択時にイメージを描きにくいということもあります。女子学生が研究職を選ぶときはまず、身近にいる女性研究者の姿を参考にします。当然ですが研究者のライフスタイルは人によって大きく異なり、育児と研究を両立したり、バリバリとご研究にまい進したりと、多種多様です。しかし身近にいる女性研究者が少なければ、判断材料のバリエーションが乏しくなるので、研究職を目指そうと思う人がなかなか増えないのだと思います。
私は理系の大学に通っていますが、女子が1~2割しかいません。
理系に進学する女子学生が少ないのはなぜだと思われますか?
一般の人がイメージする理系の女性の職種にはバリエーションが少ない、ということが理由の1つだと思います。「理系に進むとママが悲しむ!」という女子中学生の方の声を聞いたことがあります。保護者の方としては、理系の女性の職種といえば医師か理科の先生くらいしかイメージが思い浮かばず、職種が狭まることを心配されているようです。
ちなみに研究職は、女性の職種としてのイメージがほとんどないみたいです。以前、文系理系の進路をまだ決めていない高校生の方に「女性の科学者っていたんですね!」と驚かれたこともありましたよ。ですから、サイエンスアゴラ2011の企画を通じて、多様な女性研究者の姿を一人でも多くの方にお伝えしたいと思っています。
サイエンスアゴラ2011ではどのような企画を行う予定ですか?
サイエンスアゴラでのトークゲスト
東京大学 細谷紀子先生
来場者の皆様が、グラント受賞者の方と気軽にお話できる場をご用意します。彼女達の取り組む最先端の研究や、研究と生活のバランスの取り方、さらに科学の出前授業の実施など科学コミュニケーターとしての側面についてご紹介します。
この企画のねらいは3つあります。まず、本グラントの存在と取り組みを男女問わずさまざまな方に知ってもらいたいです。また、女性研究者のご活躍・そのライフスタイルを学生の方に知ってもらい、それを進路選びの参考にしてほしいですね。そしてまた、研究者の方同士にとっては、科学コミュニケーションの実践についておしゃべりできる機会にしたいと思います。

インタビューを終えて

日本の科学界では女性研究者がまだまだ少ないのが現状です。だからこそ資生堂は研究を続ける女性が増えるように、「資生堂 女性研究者サイエンスグラント」や女性研究者ロールモデルの紹介を行うことで、科学界全体を盛り上げようとしているのですね。
女子中高生にグラント受賞者と直接触れ合ってもらおうという活動は、今年9月に開催された「サイエンスカフェ@資生堂」が初めてで、サイエンスアゴラ2011の企画はその第2弾となるそうです。今回のゲストは、第1回 資生堂女性研究者サイエンスグラント受賞者で、乳ガンとDNAの関係を研究している東京大学の細谷紀子さんです。
「女性研究者」と聞いて、みなさんはどのようなイメージが浮かびますか?イメージがあまり浮かばないという方は、この企画に来てみてはいかがでしょうか? きっと新たな出会い・発見が待っています!

出展企画 詳細ページはこちら >> 女性研究者最前線!~資生堂 女性研究者サイエンスグラント~

女性科学者・女性技術者に注目! >> 特集ページ「輝く女性たち」

インタビュアー プロフィール

たくさんの方々にサポートいただきながら、インターン頑張っています!
サイエンスアゴラでみなさんとお会い出来るのを楽しみにしています。

丸尾美奈子

東京工業大学 理工学研究科
物性物理学専攻 松下研究室 修士1年

尾川慎介

東京工業大学 理工学研究科
機械制御システム専攻 中村研究室 修士1年

インターンTwitterアカウント

↑TOPに戻る