出展者インタビュー

JSTインターン生が、サイエンスアゴラの出場者・出展者へのインタビューを通じてサイエンスアゴラの魅力をお伝えします!

日本海洋学会震災対応ワーキンググループ のみなさん

こんにちは、サイエンスアゴラ2011インターン生の丸尾です。
海の専門家、日本海洋学会震災対応ワーキンググループ(以下WG)の方々にインタビューしました!
私は学会に関して、専門外、分野外の人と関わることをあまり目的としない「専門家の、専門家による、専門家のための集団」というイメージをなんとなく抱いてきました。
サイエンスアゴラ2011で日本海洋学会WGの方々は、一般の人々とどのような科学コミュニケーションを交わそうとしているのでしょうか?

WGを結成したきっかけはなんですか?
東日本大震災では、大津波と原発事故によってさまざまな有害化学物質や放射性物質が海に流れ出しました。海の専門家として、それに対して市民のために何ができるだろうと考え、学会のメンバーが集まったのがきっかけです。
普段どのようなことに取り組んでいますか?
海洋の生態系への震災の影響を推定するために、海流のシミュレーションによる有害物質の広がり方のモデリングや、海洋汚染の実態の調査などについて、それぞれの研究者が取り組んでいます。そして、 WGの定例会では、メンバー同士の意見交換、提言の検討などを行っています。また、WGのウェブサイトでは提言の他、解説記事や関連情報などを公開しています。
サイエンスアゴラ2011で企画しているシンポジウムのねらいはなんですか?
「市民が専門家に対してどのような情報を期待しているのか」「それに対し海の専門家ができることは何か」について意見交換を行うことです。専門家と非専門家の対話によって、今後の海洋研究のあり方について一緒に考える機会となることを期待しています。
シンポジウムでは、どのようなことを行う予定ですか?
まずWGメンバーが2つの講演をします。講演では有害物質の広がり方と海洋生態への影響について現在分かっていること、分かっていないことを解説します。
次に、今後の海洋研究について、海の専門家である海洋学会員と非専門家である科学コミュニケータとでパネルディスカッションを行います。その際、パネリストだけでなく会場の皆さんからも質問や意見を受け付けます。専門家と非専門家を交えた自由で活発な議論の場になることを願っています。
パネリストとして出演する科学コミュニケータはどんな方々ですか?
尾林彩乃さん、難波美帆さんの2人をお招きします。尾林さんはサイエンスカフェ水戸の発起人であり、今回のパネルディスカッションにおける「生活している視線」からの議論をご提案して頂いています。
難波さんは、サイエンス・メディア・センターのマネージャーです。今回のパネルディスカッションでは、マスコミと科学者を仲介する立場からのご意見をお願いしています。

インタビューを終えて

「第7回海のサイエンスカフェ」の様子 研究者の方々は、どうしても同じ分野の研究者コミュニティーの殻の中に閉じこもりがちです。今回インタビューしたWGは、この震災で研究者としての社会的責任を果たさなくてどうするという使命感から結成されたようですね。それでもふだんはメンバー同士での議論が多いWGの方々は、サイエンスアゴラという舞台を利用して、専門家とは異なる観点の人々と直接語り合い、共に考えるための試みをなさろうとしています。WGが結成される前の3月末に開催された「第7回海のサイエンスカフェ」でも、震災や原発事故の影響をテーマに取り上げ、海の専門家と非専門家が対話する機会をもたれたそうです(右写真参照:写真提供「日本海洋学会」)。
海洋学の専門家と直接語り合える、サイエンスアゴラのこのシンポジウムで、みなさんもそれぞれの思いを共有してみませんか?

出展企画 詳細ページはこちら >> 東日本大震災後の海洋汚染の広がりとその影響

震災関連の出展はほかにも! >> 特集ページ「震災からの再生」

インタビュアー プロフィール

たくさんの方々にサポートいただきながら、インターン頑張っています!
サイエンスアゴラでみなさんとお会い出来るのを楽しみにしています。

丸尾美奈子

東京工業大学 理工学研究科
物性物理学専攻 松下研究室 修士1年

尾川慎介

東京工業大学 理工学研究科
機械制御システム専攻 中村研究室 修士1年

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