セッション報告

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サイエンスアゴラ2011は、過去最多となる194プログラムを集めました。その1つ1つが独自のテーマや視点を持ち、特徴的なコミュニケーション手法を実践することで、全体として多様性に富む場を形成することができました。
ここでは、それらプログラムのごく一部に限られますが、出展関係者の方々からお寄せいただいた報告を共有します。会場での邂逅を楽しみにしつつも、こうした情報交換を通じて、不断に行われるコミュニケーション活動の発展につながることを願います。

その他のプログラムについては、プログラム一覧からリンクしている個別報告ページをご参照ください。

OP「私たちにとって科学技術とは何か~ 震災からの再生をめざして」

科学技術の有効活用なくして豊かな生活を築き維持することはかないません。しかし、3.11の大震災・原発事故は、科学技術に対する信頼感を揺るがす一大事でした。先行きのわからない不安感を解消し、私たち一人ひとりの科学技術との付き合い方を改めて見直すためには何をすべきなのでしょうか。第4期科学技術基本計画に謳われている科学技術政策への国民参画の促進を実現に移すための方策について論じ合いました。
開幕宣言
中村 道治(科学技術振興機構理事長)
来賓挨拶
合田 隆史(文部科学省科学技術・学術政策局長)
基調講演1
「新しい社会のあり方~市民として科学技術とどう向き合えばよいのか」
鷲田 清一(前大阪大学総長、大谷大学文学部教授)
基調講演2
「地球環境と人類圏の行くへ」
川幡 穂高(東京大学大気海洋研究所教授)
パネル討論
「震災からの再生をめざして」
大西 隆(日本学術会議会長、東京大学大学院工学系研究科教授)
片岡 正俊(東京都立産業技術研究センター理事長)
小林 傳司(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授)
最相 葉月(ノンフィクションライター)
コーディネーター
柳下 正治(上智大学大学院地球環境学研究科教授)
基調講演で鷲田さんは、現代社会で求められているのは強力なリーダーではなく、全体を見渡し、何か見落としていないかという視点を持つフォロワーが地域コミュニティの中に一人でも多くいる社会をつくることが大切だと述べました。川幡さんは、現在の地球環境はかつてなかったほどの危機的状況にあり、データ収集を待つ時間的余裕はないと指摘し、将来の技術開発に期待しつつ引き返せる道を残して進むしかないとの警鐘を発しました。パネル討論では、今回の原子力発電所事故は民主主義政権の下で起こった史上最大の事故であり、参考になる先例はないと小林さんは発言し、知恵を出し合ってできることから始めるしかないとの決意を表明しました。兵庫県こころのケアセンターの被災地支援活動を取材中の最相さんからは、顔の見える人からの誠実な語りかけならば信頼感を得られる、科学技術の問題も例外ではないとの発言がありました。大西さんからは、専門家と一般社会との間で科学技術の限界に関する合意に齟齬があったことを双方とも重視していなかったのではないか、その反省を学術会議の活動に反映させていく必要があると述べました。片岡さんは、地方自治体の工業系試験研究機関の連携による被災県の支援状況を紹介し、ものづくりの底力が日本再生の鍵を握っていると力説されました。
討論では少なくとも2つの同意が得られました。市民が科学技術を使いこなす社会を実現するためには、科学とは特別なものではなく、ふだんの生活で論理的、批判的に考えることも科学であるとの認識が大切だということと、社会として解決すべきことは何か、それに対して科学技術はどのような貢献ができるかを真正面から論じ合う必要があるということです。
記録音声・映像
JSTの出版物・ウェブサイトに掲載されました。

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Mb-53「新たな科学のタネのまき方」

パネリスト
榎木 英介(サイエンス・サポート・アソシエーション代表)
岡田 努(福島大学准教授、ふくしまサイエンスぷらっとフォーム事務局)
平川 秀幸(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター准教授)
横山 広美(東京大学大学院理学系研究科准教授)
長神 風二(東北大学脳科学グローバルCOE特任准教授)
元村 有希子(毎日新聞社科学環境部副部長)
モデレーター
縣 秀彦(国立天文台准教授・普及室長)
企画委員会セッション報告
原田 良信(サイエンスアゴラ2011企画委員、放射線医学総合研究所広報課長)
 
前日の企画委員会セッションなどを踏まえ、科学コミュニケーションの今後のあり方が議論されました。被災地に拠点を置く岡田さんと長神さんからは、現地の窮状に沿った支援の必要性等の訴えがありました。他のパネリストも、自分たちが属すコミュニティやネットワークがうまく機能しなかった点を自覚しつつ、新たな展開を検討中とのことです。行政や科学技術者コミュニティの対応が不十分な中、市民の間では独自のネットワークが形成されつつあります。最後に縣さんから、日本サイエンスコミュニケーション協会設立に関する案内がありました。様々なネットワークを繋ぐ動きが始動しそうな予感を感じさせるセッションでした。
記録音声・映像

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Mb-01危ないってどういうこと?―生活の中のリスクと科学リテラシー

話題提供
原田 良信(放射線医学総合研究所広報課長)「放射線影響に関する情報発信とリスクコミュニケーション」
小島 正美(毎日新聞社生活報道部編集委員)「リスク報道のゆがみは、なぜ生じるか」
楠見 孝(京都大学大学院教育学研究科教授)「リスク認知と科学リテラシー、批判的思考」
コメンテーター
阿南 久(全国消費者団体連絡会事務局長)
菊池 誠(大阪大学サイバーメディアセンター教授)
司会
蒲生 恵美(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会食生活特別委員会副委員長)
私たちの生活は様々なリスクに取り巻かれています。一般に言うリスクは、危険の大きさとそれが起こる確率の掛け算で、ゼロか100かということはありません。ところが個々人にとってのリスクはゼロか100かで認識をされがちです。本セッションでは、放射線をめぐるコミュニケーション、リスクをめぐる報道、リスクを認識する上で科学リテラシーは有効なのかに関する話題提供をもとに論じ合いました。リスクという概念を正しく理解すると、逆にどの程度のリスクなら受け入れるかという点で、科学リテラシー、科学コミュニケーションが重要になります。それについては、正確で客観的な情報を基に個人として判断できる市民が増えることも重要ですし、正確な情報が入手できる環境を整える必要もあるでしょう。誰もが敏感になっているときこそ、客観的な情報を発信したり集めることで社会全体の科学リテラシーを高める機会でもあるとの共通認識が得られたように思います。
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アゴラステージ
研究者、技術者、経営者の素顔に触れ、科学コミュニケーターの妙技を堪能してもらうために、日本科学未来館1階特設ステージにおいて、以下の3つの企画を実施しました。

Mb-25アゴラステージ:中高生と語り合う再生可能エネルギー

3名の再生可能エネルギー研究者に研究内容(オイル生成藻類、地熱発電、太陽光発電)の発表をしていただき、中高生からの質問に答えていただきました。生徒たちの関心は高く、積極的な質問が飛び交いました。
登壇者
渡邉 信(筑波大学教授)
安川 香澄(産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門主任研究員)
髙島 工(産業技術総合研究所太陽光発電工学研究センター主任研究員)
参加校
江東区立第三亀戸中学校、お茶の水女子大学附属中学校、埼玉県立川越工業高等学校
研究現場で中心となる研究員にこそアウトリーチ活動が重要と考え、あえて中堅どころの研究員(太陽光発電と地熱発電)を、中高生と語り合う企画委員会企画の登壇者に推薦しました。中高生、研究員双方にとって有意義だったと思います。

(下村正樹さん:産総研広報部)

たくさんの質問で盛り上がりました。

Mb-26アゴラステージ:ものづくりマイスター

日本を支える開発技術のお話でした。
独自の技術を持つ3つの企業の経営者と都立産業技術研究センターの研究者とのトークを行いました。3社はいずれも生物資源利用のものづくりを行っており、二酸化炭素削減問題について考慮した選択です。ミドリムシの大量培養技術は、日本古来の進んだ発酵技術が成功の鍵のひとつであったこと、プレス成型の難しい天然素材(サスティーモ)のプレスは、「素材の声を聞く」という職人的な感覚と常に課題を考え続ける姿勢が成功の鍵であったこと、300年以上の歴史を持つ経木を使うことは、森林の維持・更新の点からも優れていることなど、日本の特質を活かす技術的なお話を伺えました。トークのテンポも良く、立ち見客も多く盛り上がりを見せました。

(小山元子さん:都産技研経営企画部広報室)

登壇者
出雲 充(株式会社ユーグレナ代表取締役)
荒川 博史(ヤマト化工株式会社取締役社長)
信田 喜代子(株式会社木具定商店代表取締役社長)
コーディネーター
清水 綾、佐々木 直理、川口 雅弘、小山 元子(以上、東京都立産業技術研究センター)

Mb-75アゴラステージ:サイエンスショー大集合

日本を代表するサイエンスショーの名手3人が登場し、その妙技を披露してくれました。それぞれ、音が出る仕組み、鉄でできた船が浮き、野菜が水に沈む理由(比重と浮力)、箱の中に入れたヘリコプターが離陸したときの箱の重さ(重力と質量)などの実験から、身近な不思議に迫りました。
月僧 秀弥(福井県坂井市立三国中学校教諭)「あれこれ音(おと)っと」
横山 一郎(湘南学園中学校高等学校教諭)「鉄の船が浮かぶわけ」
飛田 賀光(日立科学あそび隊)「重さの不思議・体積の不思議」
「あれこれ音(おと)っと」
「鉄の船が浮かぶわけ」
「重さの不思議・体積の不思議」

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独立行政法人産業技術総合研究所

Ma-55科学・技術を体験しよう ~産総研ミニキャラバン~

下村正樹さん(独立行政法人産業技術総合研究所 広報部)

サイエンスアゴラには科学コミュニケーションに携わる方も多く参加されます。そういう方々のご意見をいただくことで、コンテンツの質やスタッフのスキルの向上が見込めます。今回はメインテーマを意識し、日本と周りの海底の地形がわかる3D地形図や、液状化現象を実感できる地盤液状化現象モデル「エキジョッカー」などを出展しました。スタッフには、研究機関である産総研の特徴を出すために、展示内容に関係した研究員を加えました。今年は昨年よりもゆったりめの配置にしたので、来場者の方々には科学・技術にたっぷり触れて楽しんでいただけたと思います。

企画委員会企画「アゴラステージ:中高生と語り合う再生可能エネルギー」にもご協力いただきました。

地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター

Ta-21都産技研体験見学ツアー ~ものづくりの世界に触れてみよう~

小山元子さん(地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター経営企画部 広報室長)

東京都立産業技術研究センターは、サイエンスアゴラ2011に会場を提供しました。ロビー、イノベーションハブ、講堂等をイベントに利用。また、東京テレポート駅と都産技研の間にシャトルバスを運行し、昼休みの食堂の営業を行い、多くの方にご利用いただきました。
さらに、「都産技研体験見学ツアー~ものづくりの世界を体験しよう~」では、音響試験設備(残響室、半無響室)、産業用ロボット、デザインギャラリー、X線CT、高電圧試験室を見学コースとし、研究員が装置を動かしながら説明を行いました。特に高電圧放電、音カメラ、残響室など、体験的な見学場所が好評でした。見学受付場所付近には、サーモメータ、サーベイメータを置き、測定体験もしていただきました。

企画委員会企画「アゴラステージ:ものづくりマイスター」にもご協力いただきました。

国際研究交流大学村

Mb-04日本の魅力、再発信!~留学生、研究者とともに語ろう~

山崎功さん(日本科学未来館 科学コミュニケーター)

震災後、風評被害によって海外からの観光客が減少しました。このような状況を克服するための発信方法について考察しました。産総研から2名の研究者が自然エネルギーの技術について紹介した後、留学生14名を含む合計27名による国際色豊かなディスカッションがあり、「海外に伝えたい日本人、科学・技術の魅力」等について話し合いました。留学生からは「ブログや人づてにもっと日本の魅力を伝えたい」等の情報発信方法が出ました。海外目線で見た日本の魅力(科学・技術、文化、礼儀、勤勉さ等)の意見もあり、日本人が普段あまり意識しない魅力を再発見できました。このワークショップを通じて、日本の魅力を一人ひとりが再発見し、内外へ発信していく機会となればと願っています。

日本学術会議

Mb-07科学・技術でわかること、わからないこと

話題提供
柴田 徳思(日本原子力研究開発機構特別研究員)「原子力と放射線のリテラシー」
本田 孔士(京都大学名誉教授)「健康と医学のリテラシー」
パネリスト
毛利 衛(日本科学未来館館長)
木村 茂光(東京学芸大学教育学部教授)
北原 和夫(東京理科大学大学院科学教育研究科教授)
司会
室伏 きみ子(お茶の水女子大学理学部教授)
柴田さんからは放射線に関する基本的事項と一般の人にとってわかりにくい点に関するお話、本田さんからは健康・医療、特に予防接種に関するリスクの認識に関するお話がありました。共通する見解は、人は自分にとってのリスクがゼロか100かにとらわれがちで、社会全体から見た利点と、個々人にとっての利点をどう考えるかが大切であるというものでした。パネル討論では、科学・技術は絶対ではないという、専門家にとっては当たり前のことが、世間、マスメディアなどでは誤解されがちだとの意見が出ました。そうした誤解を解くには、地道な対話を重ねていくことから始めるしかないのかもしれません。科学コミュニケーションの重要さが再確認されたセッションでした。
JSTの出版物・ウェブサイトに掲載されました。

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Mb-51“FUKUSHIMA”からのイマジネーション

パネリスト
中西 友子(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
安 俊弘(カリフォルニア大学バークレー校教授)
岩田 修一(東京大学大学院新領域創成科学研究科教授)
コーディネーター
保坂 直紀(読売新聞科学部次長)
3.11後の福島を再建するにあたって科学技術をどう活用すべきかを念頭に議論は進みました。
まず、岩田さんが、産業革命も情報革命も歴史を動かしたのは科学技術であり、それにともなう負の部分の転換には住民の参加意識が必要だったことなどを示しました。安さんはエンジニアという立場から、今回の事故を整理して解決策を提示していくことが、国際社会の一員たる日本にとって必要なことだとの認識を示しました。中西さんは、科学への信頼と不信、原子力を含む科学技術教育の反省点を指摘しました。会場との間では、除染の際の工学者の役割・社会の役割について、科学者から社会への知識の還元、さらにはユニークボイスという考え方まで議論が及びました。
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Mb-52政策形成における科学的助言のあり方

研究開発戦略センター

今後の日本における科学的助言のあり方に関する議論を行いました。企画側からの、近年の動向と、日本独自の行動規範の試案に関する説明に続き、議論が交わされました。政策形成における科学者やメディア等の責任の自覚、さらには、科学技術と社会との関わりに関する教育の重要性が指摘されました。このテーマについては、引き続き科学者コミュニティ等で議論が深められることが期待されます。
記録音声・映像

Mb-00『まち』で取り組む節電・省エネ対策で低炭素社会へ

低炭素社会戦略センター

低炭素社会戦略センター(LCS)は、2011年夏、プラチナ構想ネットワークと協働し、自治体の緊急連絡網を使用して各家庭に節電を呼び掛ける「停電予防連絡ネットワーク」を構築しました。シンポジウムでは、野村総合研究所顧問の増田寛也さん、三菱電機住環境研究開発センター長の川口進さん、自治体の代表者等の講演を交え、研究統括の松橋がこれまでの取り組みの成果を報告しました。第2会場では、33自治体の節電・省エネ対策や低炭素社会に向けた取組みをポスターで紹介し、活発な情報交換が行われました。

Mb-09震災とこれからのエネルギー教育について考える

理科教育支援センター

前半のサイエンスカフェでは、被災地の教員を迎え、理科教師として何ができるかとの問いかけのなかで、学校で子どもの命を守る使命の重さや、地域と連携した日ごろの備えの重要さ、身を守るための理科知識の必要性が論議されました。
後半のシンポジウムでは、環境・エネルギー研究開発分野の状況、科学技術政策、エネルギー環境教育の現状とあり方、学校での実践事例が紹介され、エネルギーについての正しい理解と判断力を持つことの重要性、子どもたちが自分の力で未来を変えていこうと考えていけるように教育が果たす役割など、教育への期待が語られました。
JSTの出版物・ウェブサイトに掲載されました。

Mb-57それって本当? -3/11大震災をテーマに-

理数学習支援部

大津波をテーマに、中高生に考察のための材料(科学的情報)を与えながら議論させ、科学的な情報を正しく理解し活用することの大切さと難しさを体感してもらうという企画です。JST「サイエンス・リーダーズ・キャンプ」事業に参加した現役の理科の先生を講師にお招きしました。引率の先生からは、「理科は好きだけれど勉強チックになると拒否反応を示す生徒たちが楽しんでくれた」、講師からは、「生徒に考えさせることの面白さと大切さを再認識できたこと、他の先生方との交流を持てたことが大きな収穫だった」などの感想をいただきました。

Mb-59サイエンスクライシス ~情報のウラオモテ~

日本科学未来館

3.11のような緊急事態に再び直面した際に正しく行動するため、「情報発信者の特性を知り」「情報の授受のあり方について考える」ことを目的に、ワークショップを実施しました。情報発信者として、新聞、テレビ、専門家、週刊誌、ツイッターの5種類を取り上げ、ロールプレイングの手法を使ってそれぞれの特徴を実感し、利点や注意点などを議論、発表しました。参加者の感想からは、本企画が「今後の情報の授受について考える」きっかけとなったことがうかがえました。

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Ma-17あっ 捨てないで! それで理科遊びをしよう!

雨谷俊彦さん(蔵前理科教室ふしぎ不思議)

このたびは栄えあるサイエンスアゴラ賞を頂き有難うございました。私共は(社)蔵前工業会(東京工業大学の同窓会)内の一組織である"蔵前理科教室ふしぎ不思議"(略称:くらりか)に属しています。2005年に子供達の理科離れに危機感を持った会員有志が、理科の楽しさ、面白さを知ってもらうべく理科教室活動をシニアボランテアとして開始しました。
以後、教室では身近な材料で工作と実験を行い、生徒全員が達成感を味わえるように生徒5~6人に1人の助手を配して行っています。主に首都圏や大阪地域で中心に活動し、今年度末には累計で1,065教室、27,000名の児童・生徒に対して行う予定です。
今回の東日本大震災の被災地域で役に立てる事を何かをしたいと多くの人が思っています。私共も被災地域での理科教室の開催を検討しましたが、状況的に厳しい中、サイエンスアゴラの企画を知り応募しました。テーマとしては身近な材料で工作と実験をして、更に説明を1つ加えることで人間の素晴しさに気が付いてもらうという観点で、くらりかのメニューから"笛と音"を選び、会場の雰囲気を考慮して行いました。会場では家庭からごみとして出されるペットボトル、牛乳パック、ストローを用いて紙ホイッスルやストロー笛を作り、鳴らし、なぜ音が発生するかを学んでもらう教室としました。中学生以上には聴覚のメカニズムも説明し、人間の不思議な能力・強さを再認識してもらいました。またクラドニの装置やクントの装置で膜振動や音を可視化したものを見て、それらの美しさを知ってもらいました。私共はいずれ被災地でも同様の教室を開き、今回の参加者以上の感動を与えたいと思っています。
JSTの出版物・ウェブサイトに掲載されました。

Ma-35人獣共通感染症の克服を目指して

伊藤公人さん(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター 准教授)

本企画では、インフルエンザ、エボラ出血熱、アフリカ眠り病などの人獣共通感染症について、大人から子供まで楽しく学べるような体験型展示を目指しました。ウイルスや細菌というと、小さなお子さんを連れた一般の来場者は少しブキミに感じてしまうことがあるようです。来場者が正しい知識をできるだけ明るく学べるように、実際の研究室を模したブースをつくり、パネル解説、顕微鏡観察、実験体験を通して研究をアウトリーチすることを展示のテーマとしました。
パネル解説では、自然界で野生動物と共生している微生物がどうして人に病気を引き起こすのか、また、その予防にはこれからどんな研究が必要であり、いま北海道大学がどのように研究に取り組んでいるかを8人の研究者がマンツーマンで来場者に説明しました。
顕微鏡では、蚊やツェツェバエなどの吸血昆虫の標本を観察し、マラリアやアフリカ眠り病といった節足動物により動物から人に運ばれる感染症を解説しました。また、インフルエンザウイルスが感染した細胞を高倍率の顕微鏡で観察することにより、ウイルスが増殖する仕組みやワクチンや治療薬で病気が治る仕組みの一端を紹介しました。
実験体験では、マイクロピペット・遠心機・安全キャビネット・オートクレーブ・防護服といった、感染症を安全に研究するために工夫された最新機器をブースに持ち込み、実験の基本操作を来場者に体験してもらいました。
特製ウイルスストラップの助けもあり、二日間の展示で合計480枚のアンケートを回収することができました。来場者には顕微鏡観察、遠心分離、防護服試着が人気でした。本出展にあたっては、順天堂大学医学部、大分大学医学部、東京大学医科学研究所、帯広畜産大学原虫病研究センター、国立感染症研究所、JSTイノベーションプラザ北海道の関係者の皆様に多大なご協力を頂きました。心より御礼申し上げます。

Ma-40spffふくしま支援プロジェクト ひろげよう!科学のわ!

岡田努さん(福島大学准教授・spff事務局)

ふくしまサイエンスぷらっとフォーム(spff)は福島大学を事務局に福島県内の産官学民による科学コミュニケーション活動に取り組む組織で30 を超える異業種の施設(県研究施設、科学館、企業、教員等)が様々な方法で連携し県内のあらゆる地域で科学コミュニケーション活動に取り組もうと「ふくしまはどこでもかがく!」を合言葉に活動しています。
しかし3.11 以降は状況が一変しました。本県は地震と津波被害に加え原子力発電所の事故により全県民が放射線に対する不安の中での生活を余儀なくされました。spff の参加機関では施設は閉館、震災対応に追われ、予定していた活動も中止せざるを得ませんでした。震災の2 ~ 3 週間後、spff の参加機関から「spff が避難所でできることがあるのでは?」との声をいただき、その後協力して避難所訪問を始めました。全国からも産総研関西センターを筆頭に科学ボランティアの支援を頂き、GW まで県内の避難所、学校や再オープンした科学館等20 数か所をまわりました。このような非常事態に迅速に対応できたことはspff にとっての誇りです。今年のサイエンスアゴラのテーマが「新たな科学のタネをまこう-震災からの再生をめざして」ということで、私たちはspff の震災後の活動紹介と、意外と知られていない学校の理科授業の課題、科学館の状況、そして本県の実態を来場者の皆様へ対話を通して伝えることにしました。その結果オリジナル福島県付箋紙になんと500 以上もの応援メッセージを頂きました。一人ひとりと丁寧な対話を通して何かを伝える、共有するということがコミュニケーションの基本だと改めて実感しました。今回の受賞、全国の皆様からの支援の声、そしてなによりspff のメンバー同士の理解がより深まったことを本当に嬉しく思います。アゴラ関係者の皆様にお礼申し上げます。

出展者インタビュー にもご協力いただきました。

JSTの出版物・ウェブサイトに掲載されました。

Ma-54ロボットのいる街角を目指して

神田崇行さん(株式会社国際電気通信基礎技術研究所 知能ロボティクス研究所(ATR IRC))

私たちは、京都の学研都市にあるATRという研究所で、ロボットが人間のパートナーになるための研究開発を進めている研究者です。今回のサイエンスアゴラにロボットを出展しようと思い立った理由は、主に2つです。1つは、子供たちに科学の楽しさを、ロボットと実際にふれあってもらうことで体験してもらいたいと思ったこと。もう1つは、私たちが目指している、ロボットと人間がお互いに助け合って生活する将来のイメージを、皆さんに直接肌で感じてほしいと思ったことです。そのために、今回私たちは、街角で困っている時に助けてくれる警備員さんをイメージして、話しかけやすく歩いてくれるロボットを準備しました。あなたが道に迷った時にすっと寄ってきて、もしあなたが話しかけたらちゃんと道を教えてくれる。そんなロボットが将来街角で歩いていたら、ちょっと嬉しいですよね。
とはいえ、ロボットを実際に動かすのはまだまだ大変です。京都から東京まで移動する間にロボットの調子が悪くなってしまったり、いざ到着すると予想していた環境とは少し違っていたり。問題を解決してもう大丈夫と思って最後に確認したら、新しく別の問題が出てしまう、といったことも。それでも、皆さんにロボットと実際に触れ合って楽しんでもらおうと、研究者の皆さんが未来館の中で直前まで調整作業を頑張ったことで、当日は無事にロボットの展示を皆さんに体験してもらうことができました。特に小さなお子さんたちには、自分たちと同じぐらいの大きさのロボットを見ることが初めてだったようで、とても楽しくロボットと触れ合ってもらうことが出来たようです。これからも、人と関わりあうロボットの研究開発を通じて、少しでも皆さんに科学の楽しさを伝えることができればいいな、と思っています。

Ma-59女性研究者最前線!~資生堂 女性研究者サイエンスグラント~

蓑田裕美さん(株式会社資生堂 学術室、国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ)

「自ら道を切り拓き活躍する女性科学者がいることを知ってほしい」
これがサイエンスアゴラ出展を思い立ったきっかけです。
日本の科学界における女性研究者の比率が世界最下位クラスであることをご存知でしょうか。「資生堂 女性研究者サイエンスグラント」ではその格差解消の一助となるよう、指導的研究者を目指す女性科学者に毎年総額1,000万円の研究助成を行なっています。女性研究者支援を通じて、今後さらに日本の科学技術の進展に寄与するためには、第一線で活躍している女性科学者の姿を市民の皆さんに知っていただくことが重要なステップであると考え、サイエンスアゴラ2011への出展を決めました。
歴代受賞者の研究ライフを紹介する展示と、受賞科学者をゲストに招いたサイエンスカフェ形式のトークイベント、どちらも数千人の来場者の皆さまとFace to Faceでお話できる貴重な機会ですので、インターネットや書籍のようなメディアでは得られない"ライブ感のある科学コミュニケーション"を目指しました。当日は予想以上に男性の来場者にもお立ち寄りいただき、「企業が事業分野に関連しない科学全般を支援しているとは知らなかった、心強い」などのコメントや貴重なフィードバックを沢山いただきました。
企画運営の実務担当者はサイエンスコミュニケータ1名でしたが、ゲスト受賞者の細谷紀子先生をはじめ多数の受賞者にご協力いただき、当日スタッフもみな社員ボランティアが務めました。こうして一丸となり「女性科学者を応援したい、日本の科学界を盛り上げたい」という同じ想いを持つことこそが支援の第一歩であり、このたびのサイエンスアゴラ賞受賞に繋がったのだと思います。サイエンスアゴラが、科学を切り口としたコミュニケーションの場として、今後益々活用され発展を遂げることを強く願っています。

出展者インタビュー にもご協力いただきました。

Ma-99「きみたちの魔法-化学『新』発見」展

太田暉人さん(公益社団法人日本化学会 前常務理事)

2011年は国連が定めた世界化学年です。全国各地の科学館には化学・材料をテーマにした展示が少ないことから、日本化学会が中心になって化学・材料をテーマにした展示を開発し、展示する試みをすることになりました。
一言で化学を展示するといっても容易ではありません。通常の化学反応の展示には困難が伴います。そこで、温度や光で可逆的に変化する材料に焦点をあてることにしました。そうした材料のメーカーに協力のお声がけをしたところ、幸いにも声をかけたほんどの企業から協力を得ることができました。さらに日本化学工業協会加盟の企業からも協力の申し出が頂きました。
展示制作にあたっては、化学の不思議さ、面白さをどのようにして印象づけるかを、メンバーの間で議論しました。特に、参加者が直接手を触れられる体験型とすることを基本としつつ、耐久性と安全性をいかに確保するか、また個々の展示に係員が張り付いていない状況下で、参加者にこちらが期待する操作をさせるにはどうすればよいかが最も工夫を要するところでした。
また、体験展示に加えて、化学が如何に我々の現在の生活に密接に結びついているか、そして我々の将来を担っているかをイメージしてもらえるチャートも作成しました。静止画の上に映像を投影する手法で、化学の役割、リサイクル、将来の姿などを現したものです。会場の一角に大型ディスプレイを置き、ミクロの世界の写真をスライドで映し出す工夫もしました。
おかげさまでみなさまから好評を博し、賞までいただき、苦労したかいがあったと喜んでいます。
[来場者特別賞]

Ma-01『えれめんトランプ』元素周期表カードゲームで対戦!

栫井文子さん(株式会社化学同人)

今回も昨年同様、元素周期表同好会として、科学に興味をもってもらえるようなコンテンツを提供する理工系出版社という立場から参加させていただいている。科学の世界への入口として、元素はちょうどよい題材であり、これをきっかけに科学や科学書に興味を広げていってもらいたいとの思いからである。
昨年は『えれめんトランプ』の原型はあったものの、まったく1からのスタートであった。考案者を交え、「カードの見栄え」「ルールのわかりやすさ」「説明のしやすさ」など、さまざまな要素を検討しながら、カードをつくりあげていく過程は、科学書をつくる編集プロセスとまったく変わらない。そんな昨年とは違い、今年は『えれめんトランプ』がすでに完成していたため、少し余裕をもって取り組めた(とはいえ、別企画『元素検定』を並行して準備していたため、大変だったわけであるが)。
おかげ様で昨年の『えれめんトランプ』ブースは大変な賑わいであった。それ以上に盛り上げたいとの思いもあり、学びの要素を取り入れた簡単なミニゲームなども用意していたが、結局、オーソドックスな『えれめんトランプ』が1番面白かったようである。
今回350名ほどの方に体験してもらったが、中にはリピーターや昨年来てくれた高校生の姿もあった。年齢も幅広く、小学生以下の子どもから、70過ぎのおじいさんまでが一緒に楽しんでいる様子に、この企画に携わった者として感動すら覚えた。『えれめんトランプ』が子どもたちの知的好奇心を刺激し、科学を楽しむ心を育てる「種」となってもらえたらと思う。
ほかの出展者との交流という意味でも、サイエンスアゴラは非常に有益な学びの場となった。これからもこのような機会があれば、積極的に参加していきたい。

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Mb-02東日本大震災後の海洋汚染の広がりとその影響

市川洋さん(独立行政法人海洋研究開発機構)

東日本大震災後の海洋汚染の広がりに対し、4月14日に開催された「震災にともなう海洋汚染に関する相談会」で日本海洋学会の100名以上の有志が「海洋科学専門家は何をすべきか」などを議論しました。その結果を取りまとめた提案を受けて、翌4月15日の日本海洋学会幹事会で震災対応ワーキング・グループ(以下、WG)が設立されました。WGは、「福島第一原子力発電所の事故に起因する海洋汚染モニタリングと観測に関する提言」などの提言、提案を発表するとともに、解説記事や関連情報などをウェブ公開してきました。その活動の一環として、サイエンスアゴラ2011でシンポジウムを開催することを企画しました。内容としては、政府のデータ公開が遅れたことや、TV番組などで専門家が市民の抱く疑問に対し分かり易く答えていなかった状況を考慮して、専門家と非専門家が、直接、双方向での対話をして相互理解を深めることを重視して、4名の専門家と2名の非専門家にパネリストを依頼し、事前にメールで意見交換をおこないました。シンポジウムでは、最初に、海洋学会会員が、何が分かっていて、何が分かっていないのか、の説明に主眼を置いた解説をおこないました。その後、二人の非専門家から提起された「汚染について住民が抱いている先の見えない不安」と「緊急時に専門家として、思ったこと、やったこと」の各々について、専門家が答えました。フロアーからの5件の質問を加え、予定していた90分間が非常に短く感じるほど、充実した内容となりました。会場受付で配布したプログラムは122部でした。回収した20部のアンケート回答の多くで得た好意的な評価と、サイエンスアゴラ賞サイエンス対話部門の受賞を励みとして、私たちは、今後も非専門家との対話を進める予定です。

出展者インタビュー にもご協力いただきました。

Tb-03経済学×脳科学 質問から読み解く「あなたの好み」?

内田麻理香さん・水島希さん(東京大学情報学環 佐倉研究室)

誰しも自分の興味のある分野にはアンテナをはるが、それ以外には縁遠くなりがちだ。サイエンスアゴラに足を運ぶお客さんにとっては、科学はなじみ深い内容であろう。しかし経済学はどうだろう? あるいは逆に、ふだん経済学に関心が高い人は、科学に接する機会があるだろうか?
「『経済学×脳科学』質問で読み解くあなたの『好み』?」は異分野同士をかけあわせたイベントである。異分野と思われているが、経済学と脳科学には「神経経済学」という活発な学際領域があり、主催である文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムでも研究が進んでいる。
脳科学と経済学、縁が遠いほうの分野についても面白さを伝えるにはどうしたらよいか? そこで、参加型のイベントにし、さらにエンターテインメント性を重視することにした。
登壇者の大竹文雄氏には「経済学者」、田中沙織氏には白衣を着た「脳科学者」、そして佐倉統氏には進行と役をふり、コント風のシナリオを用意した。
参加型の仕掛けとして、アンサーパッドという質問回答用機器を用意した。例えば「どちらを選ぶ? (A)100 万円が11% 、はずれが89%(B)500 万円が10%、はずれが90%」という質問に、参加者が手元のアンサーパッドで(A) か(B) の回答を選び、ボタンを押す。すると、全員の回答が集計され、スクリーンに表示されるという仕組みである。
当日、このアンサーパッドは大活躍し、お客さんは自分の答えのゆくえに興味津々で、画面に注目していた。さらにその回答から読み解かれる自分の「好み・傾向」についての解説に聞き入った。フロアからの質問が活発だったのも印象的である。
この経済学と脳科学のコラボレーションによる知的エンターテインメント。サイエンスアゴラ賞・対話部門を受賞したのは、参加者をはじめ、関係者の皆様のおかげである。この場を借りて深くお礼を申し上げたい。

Sb-10若手サイエンスコミュニケータ進路相談&交流会

熊谷現さん(ウィークエンド・カフェ・サイエンス(WEcafe)事務局)

「サイエンスコミュニケータとして、持続的に、自立して活動するにはどうすればよいか?」これが、今回の企画を実施するに至った問題意識です。
私たちWEcafe事務局は、普段は、月一回程度の頻度でサイエンス・カフェを開催している団体です。一般財団法人 武田計測先端知財団の支援をいただきながら、国立科学博物館の認定サイエンスコミュニケータを中心に、20代の大学院生・社会人がボランティアで企画・運営をしています。
メンバーの中には、いずれは独立してサイエンスコミュニケータとして稼いでいきたい、と考えている人もいます。ただ、いわゆる「サイエンスコミュニケータ」のキャリアモデルとなる方はほとんどいらっしゃらないため、どのような道筋を描けばよいかがわからない、という現状がありました。
そこで今回の企画では、様々な場所でサイエンスコミュニケータとして活動を始めた若手の方を登壇者としてお呼びし、パネルディスカッションを実施することといたしました。今、まさに奮闘している方が何を考え、どう行動しているのか意見交換をすることで、道を切り拓くヒントが見えてくるのではと考えたからです。
当日は大雨にもかかわらず、40名以上の方にご参加いただきました。その後の希望者のみの交流会にも17名の方にご参加いただき、参加された方のつながりづくりの場ともなれたと感じています。
当日の議論では、「非営利活動の意義を認めてもらうためには、評価軸をこちらが提示する必要がある」「単年度の国の補助金だけでは、利益を出せず持続的な活動が難しい」「職能であると認識して、個々の職場で活躍することを目指しては」など、様々な意見が出ました。今回のシンポジウムを踏まえ、今後も、悩み、試行錯誤を続けながら、行動をしていきたいと考えています。
[特別賞]

Ma-57,Mb-27,Mb-76ロボット楽団コンサート ~科学はどこまで音楽に近づけるか~

幸田晃さん(鹿児島工業高等専門学校 教授)

当初ロボット楽団は「ロボットで人間の伴奏は可能か?」という発想でスタートしました。しかし演奏がさまになってきて周囲の方々の反応を見ると「どうもこれは理科離れ対策に使えそうだ!」ということになり、音楽とサイエンスを合体させた新しいエンタテイメントとして今日に至っています。ところで演奏ロボットは世の中であまりメジャーな存在ではありません。高専ロボコンのようなコンテストもありません。そんな時サイエンスアゴラを見つけ、皆さんに見てもらう絶好の機会と思い参加させていただいたしだいです。
ロボット楽団のコンセプトは「見て楽しいステージ」です。音楽をきちんと演奏することは必須です。音楽が始まると各ロボットがザワザワ動き出し、まるで遊園地のようなステージを目指しています。個人で頑張っているのでなかなか到達できていませんが。加えるにロボットにはカバーを付けず、動きの仕組みを見せて興味を持ってもらい、素人の方にもわかるようなローテクを使い、「私にもできるかも」と思っていただければ幸いです。ちなみに私の専門はコンピュータの音声信号処理であり、ロボット製作は全てゼロからのスタートです。ですのでロボット技術のハイテクを使えと言われても無理かもしれません。今回参加させて頂き、出展者皆さんが本気になってサイエンスをエンタテイメントとして伝えようとされているのに感動しました。私も勿論本気なのですが多種多様な分野で皆さんが頑張っておられるのを見ると、「日本の底力」を垣間見ているような気がいたしました。
JSTの出版物・ウェブサイトに掲載されました。

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サイエンスアゴラ賞について
サイエンスアゴラ2011では初めての試みとして「サイエンスアゴラ賞」を設定して、企画内容の向上や科学コミュニケーション理念の促進を図りました。
サイエンスアゴラ賞には、「楽しいサイエンス部門」と「サイエンス対話部門」の2部門を設けました。「楽しいサイエンス部門」ではサイエンスに対する人々の興味関心を広げることに貢献しうる優れた企画を、「サイエンス対話部門」ではサイエンスと社会との関係についての議論を促進する優れた企画を選定しました。選定にあたっては、10名の審査委員が「手法」「実施内容」の観点から審査を行い、その結果をもとにJSTが受賞企画を決定しました。また、来場者人気投票で最上位となった企画には「来場者特別賞」を授与しました。
サイエンスアゴラ賞一覧はこちら >> サイエンスアゴラ賞 発表

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